家づくり

玄関をつくる

こんにちは。

今日は、プランニングにおいて玄関を考えるうえで、押さえておきたい5項目をお話しします。

この記事を読めば、

  • 玄関周りの間取りで悩んでいる
  • 玄関ホールに、どのくらいの広さが必要かがわからない
  • 玄関周りの収納計画で悩んでいる
  • 玄関を美しく計画したいけど、どんなことを気をつけたらいいか分からない

以上のことが解決します!

ぜひこのまま読み進めてくださいね😉

あなたはおうちに帰ってきて、最初に何をしたいですか?

まずはこの質問について、あなたや家族の日々の行動を振り返って、考えてみましょう。

玄関→手洗い器 の動線

私はまず、家に帰ってきたらすぐに手を洗いたいかな。

下の絵のように、コロナ渦以降、玄関付近に手洗い器を設置する事例が増えています。

帰宅後は、扉のノブやスイッチ等、家の中のあらゆるものを触る前に、
一度手を洗いたいという方が多いかと思います。

帰ってきてまず目につくところに洗面台があれば、
家族みんなが手洗いを習慣化しやすいですし、来客時なんかも便利です。

ただ、個人的には、
やみくもに玄関手洗い器をつけることはおすすめしません。

プランにもよるのですが、「実際に住んでみると、あまり使わなかった・・・」となるケースもあり、
コストをかけて設置した割に活用されず、勿体ないことになり兼ねないからです💦

設置するか迷われる方は、我が家では本当に活用できるかな?と
一旦考えてみることを、おすすめします。


プランニングのなかで調整できるのであれば、
玄関からメインで使う洗面台へ、直行できる動線をつくることがおすすめです。


この方法であれば、空間を持て余す心配もないので、
無駄を作りたくない方や、コンパクトな家づくりをお考えの方は、ぜひ検討してみてください。

玄関→土間収納、クローゼット の動線

会社から帰ってきたら、まずはコートを脱ぐかな。

僕は自転車で通学するので、雨の日に着るカッパを掛けられるようにしたい。

この場合、玄関そばの収納にハンガーパイプを設けるとよさそうです。
土間収納の中なら、雨天時の濡れた衣服も気兼ねなく掛けておけます。


玄関からクローゼットへすぐ行ける動線をつくるのも便利です。
外着と部屋着で着替えたい方にも、人気の間取りです。



玄関→土間収納→キッチン の動線

スーパーで買ってきた食材を、すぐ冷蔵庫にしまいたいわ。

この場合は、玄関からキッチンへアクセスしやすいプランにするのが良さそうです。
重い荷物を持って移動する距離を短縮できるので、家事楽に繋がりますね。


他にも、

  • 2階リビングなので、玄関からすぐ2階へ上がれるようにしたい
    玄関ホールから階段へすぐ行けるプランとする
  • 夜勤があるので、帰ってきてすぐシャワーを浴びられるような動線にしたい
    玄関ホールのそばに、水廻り(脱衣室、浴室)を配置する

etc...

生活パターンや各家族の考え方によって、優先順位は無数にあるかと思います。

まずはシンプルに、「帰ってきてまず何をしたいか?」を考えてみましょう。
あなたに合う動線が浮かび上がってきます。


広さを考える

玄関の広さって、どのくらい確保したらいいの?

近年の傾向として、住宅の値上がりが著しく、家全体の平均坪数も減少する傾向とともに、
玄関を通過動線と割り切り、コンパクトにおさめて無駄をつくらないプランが主流となってきています。

近年の傾向として、玄関はコンパクトにつくるプランが増えてきている

来客が多い方や、玄関先で対応する機会が多いご家庭の場合は、
使い方に合わせた適切な広さを検討しましょう。

また、ただ単にコンパクトな広さにするだけだと、家の中に入って窮屈感を感じやすいです。

ここでは、玄関の広さはコンパクトに押さえつつも、拡がりや開放感を作れる事例をご紹介します。

コンパクトな広さにする事例①
通路の先に抜けを作り、閉塞感を和らげる

上図のように、細い廊下を抜けた先に、外部の植栽が見える窓を設けることによって、
視線の抜けを作り、窮屈感を出さずに計画することができます。

敷地に植栽を植える余裕のない方でも、壁面の一部に窓を設けて明かりをとるだけで、
開放感をつくることができます。


コンパクトな広さにする事例②
狭い通路の先に大きな空間(LDK)を設け、メイン空間の拡がりを感じやすくさせる

上図のプランでは、玄関は通路幅程度の最小サイズで確保することで、
LDKに入ると、より空間の拡がりを感じやすくなります。

「玄関はコンパクトに」という一見デメリット要素を逆手にとって、
コントラストを作ることで、空間の拡がりや明るさを際立たせることができます。

また、最近の住宅は断熱性能が向上したことで、このプランのように
居間と直通(ドアを設けない)のプランも増えてきています。

玄関に使う空間を最小限にした分、居場所となる空間を大きくできますし、
ドアで空間が分断されて、玄関が使われない空間となることも防げます。


収納を考える

収納は、持っているものの量に合わせて計画することが大切です。

持ち物に対して収納が少ないと、モノが溢れてストレスになってしまいますし、

持ち物に対して収納が多すぎると、使われないスペースとなり、お金をかけて作った空間が勿体無いことになってしまいます。

面倒ですが、一度自分たちがどのくらいのものを玄関まわりに置きたいのかを洗い出してみましょう。

  • 靴、ブーツ
  • コート
  • 傘、雨具
  • アウトドア用品(ゴルフバッグ、ラケットやボール等のスポーツ用品、土間に保管したいキャンプ用品など)
  • ダンボール

この他にも、土間収納を、ごみの一時保管場所として使うことも想定できます。

それぞれのライフスタイルによって、収納の取り方を考えましょう。

例えば、

・30代夫婦+子供一人
毎日履く靴をローテーションする

玄関からすぐ取り出しやすい場所に、多めの収納を確保する


60代夫婦
毎日履く靴が大体決まっている


→収納自体、多めにとる必要はなし。
(ただ、全体保有量の2割ほど余裕をみて収納計画したほうがいいです)


・40代夫婦+子供3人
平日使う靴は大体決まっているが休日用の靴や、季節ものの靴を多く所有し、
キャンプ道具もたくさん持っている場合

→玄関からすぐ取り出せる位置に平日用のものをしまえる収納を設け、
休日用の靴やキャンプ道具をしまえるよう、土間収納に多めに収納を計画する


この他にも、いろんなケースが挙げられますよね。

みなさんのご家庭はいかがですか?

間取りを考える上で、
「収納は一般的にこれぐらい取ればいいだろう」と流しがちですが、

家族によってライフスタイルや持ち物の量が違うように、
収納量の取り方もそれぞれの家に合わせて計画するのがベストです。

(玄関だけでなくて、家中の収納すべてに言えることですね)

どこに、どの量を保管することがよさそうだろう?を塾考してみましょう。


をきれいに見せる

玄関に入って見える壁面は極力、シンプルにすることが理想です。

逆に、下図のように、入ってすぐ扉や壁がごちゃついていると、印象もダウンです。


きれいに残る壁面には、塗り壁やタイル、ペンダント照明などを取り入れてもいいですね。



明るさを考える

玄関の光の取り方について考えていきます。

1.窓の取り方

④壁をきれいに見せる と合わせて考えていきたいのですが、
壁面に窓をとる場合は、窓の配置を整理することが大切です。

上の図では少し極端な例ですが、玄関ホール内に2つの形状の異なる窓がついています。
空間的に美しいとは言えないのではないでしょうか。



上の図のように、壁面に対して、窓の配置バランスを考えると、格段にスッキリして見えるのです。

自然光を取り入れる窓を配置するのが理想ですが、
玄関が外周側にない場合や、隣地の関係で窓が取れない場合だと、
玄関ドアを窓のあるタイプのものにすることもできます。

窓付きにするだけでも、日中の明るさは格段に変わります。

YKK AP(https://www.ykkap.co.jp/consumer/satellite/products/articles/door_textbook/light/)や、
LIXIL(https://www.lixil.co.jp/lineup/entrance/)、
三協アルミ(https://alumi.st-grp.co.jp/products/entrance/door/)など、
各社商品で、さまざまなデザインがありますので、チェックしてみてください。

2. 照明計画

上記にて、「壁を綺麗に残す」「窓の配置を考える」とお話ししてきましたが、
照明の取り方も、とても重要になってきます。

照明の種類として、基本的にはダウンライトを取り、床面を照らすことがほとんどのケースかと思いますが、空間をワンランクアップするためには、「天井面をきれいに残す」ことが、よりおすすめです。

天井面をきれいに残す例として、

等の方法があります。

注意したいのが、ペンダントライトやブラケットのみでは、空間全体を明るくはできないことが前提です。

ここで一度立ち止まって考えてみると、

通過動線と割り切れば、玄関ホール全体に光を行き渡らせるほどの明るさは本当に必要だろうか?
光を絞ってもいいのでは?

という考え方もできます。

普段どのように玄関を使うか?
そこから、照明計画を紐解いていけるといいですね。

一方で、間接照明やペンダントライト、ブラケットは、ダウンライトに比べ、コストアップの要素にはなります。
コスト面が気になる方は、綺麗に残した壁面に対して、照らしたい対象に合わせて光の向きを変えられるダウンライト(ユニバーサルタイプ)で照らす方法もおすすめです。

ダウンライトは一見スッキリして見えるので、多用しがちですが、下から見ると光源が眩しいと感じやすいです。
なるべく人の目に直接入らないように計画することをお勧めします。

今回は、玄関の計画についてお伝えしました。

何かお役に立てる情報があれば幸いです!

ではまた〜。

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